東京都新宿区歌舞伎町のホストクラブ「SINCE YOU α」の女性客が風俗店で売春して得た収入の一部を受け取ったとして、警視庁は同店ホストの「渋谷凰(しぶやこう)」こと小保方行志朗容疑者(28)=東京都世田谷区=らを組織犯罪処罰法違反(犯罪収益等収受)の疑いで逮捕し、5日に発表した。

 女性客に高額な売掛金(ツケ)を負わせ、売春などを強いる悪質なホストクラブが問題化している。警視庁によると、ホストが「スカウトバック」と称し風俗店から手数料を受け取っていた事例を、犯罪収益として摘発するのは初めて。

19歳の女性客、別府のソープランドに紹介

 他に逮捕されたのはスカウトの渡邊善生(34)=新宿区=、風俗店あっせん業の小島誠也(31)=川崎市多摩区=の両容疑者。保安課によると、3人は共謀して昨年3~5月、女性客(当時19)が大分県別府市のソープランドで売春して得た収入のうち計約40万5千円を、店から受け取った疑いがある。いずれも容疑を認めているという。

 女性客は、小保方容疑者の弟で同じ店のホスト「鳳信(おおとりしん)」こと小保方信太朗被告(25)の客だった。ホストクラブでの売掛金を回収したいと弟から依頼を受けた行志朗容疑者が、スカウトらを通してソープランドへあっせんしたという。弟と3人は女性を同店で売春させた職業安定法違反の罪で起訴されている。

プロフィル送り保証金募る

 女性客はスカウトに促され、身長や体重などに自身の写真を添えたプロフィルを作成。あっせん業者がプロフィルを茨城~沖縄の風俗店6店舗に送り、報酬をいくらまで保証できるか提示させ、一番高額だった店にあっせんしていたという。

 警視庁は、こうしたホストを起因とする組織的な女性の売春あっせんは全国で行われているとみて、実態解明を進める。(御船紗子)

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