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斜里町役場に献花台が設けられる
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海上保安本部が知床半島沿岸部で捜索
2022年4月23日、知床半島の沖合で観光船「KAZU I」が沈没した事故では、乗客と乗員合わせて20人が死亡し、乗客6人の行方が今も分かっていません。
去年9月には事故を調査していた国の運輸安全委員会が最終報告書をまとめ、船は甲板のハッチのふたが確実に閉まっていない状態で、海水が流入したとしたうえで、運航会社には安全管理体制が存在していない状態だったなどと指摘したほか、第1管区海上保安本部は運航会社の社長から任意で事情を聞くなどして業務上過失致死の疑いで捜査を続けています。
事故から2年となる23日、地元の斜里町ウトロの斜里町漁村センターでは、このあと午後1時から追悼式が行われます。会場には、臨時の献花台が設けられ、午前中から地元の人などが献花に訪れていました。
事故後に遺族が利用した宿泊施設の元従業員の杉浦登市さんは、「亡くなられた方のご冥福を祈るとともに、ご家族の気持ちが安らぐようにという思いで手を合わせました。犠牲になられた方のご家族に寄り添わなければ、知床の観光は戻ってこないと思う」と話していました。
町によりますと、ことしは乗客の家族や関係者合わせておよそ150人が参列する見込みで、犠牲者に祈りをささげるとともに事故の再発防止への誓いを新たにします。
斜里町役場に献花台が設けられる
地元の斜里町役場に設けられている献花台には、午前中から犠牲者を悼む人が訪れ花を手向けています。
地元の斜里町役場には事故直後から献花台が設けられていて、事故から2年を迎えたきょうも、犠牲者を悼んで花を手向ける人の姿が見られました。
去年に続き、4月23日に献花台を訪れたという町内の40代の女性は「まだ見つかっていない人がいるので、『何か少しでも手がかりが見つかるといいな』という気持ちで献花しました。この日がくると事故のことを思い出して胸が苦しいです」と話していました。
町によりますと、事故以降、町に寄せられた献花は、22日までに2594組にのぼっているということです。
斜里町役場での献花の受け付けは23日、午後5時半で終了し、24日からは役場のウトロ支所で受け付けるということです。
海上保安本部が知床半島沿岸部で捜索
北海道の知床半島沖で観光船が沈没した事故から2年となる23日、海上保安本部は22日に引き続いて半島の沿岸部で捜索を行い、行方が分かっていない6人の手がかりを捜しています。
沈没現場に近い半島先端の沿岸部では冬の間、捜索が中断されていましたが、第1管区海上保安本部はきのうから捜索を再開していました。
23日は、海上保安本部の機動救難士や潜水士などおよそ10人が半島の西側と東側に分かれて捜索にあたり、ヘリコプターも上空から支援することにしています。
これまでのところ、半島の西側では悪天候のため捜索を開始できていませんが、東側では潜水士が浅瀬に潜ったり岩陰を確認したりして行方不明者の手がかりを捜しているということです。
第1管区海上保安本部によりますと、午前11時半現在、新たな手がかりの情報は入っていないということです。捜索は天候を見ながら日没ごろまで続けられ、24日も行われる予定です。
釧路航空基地のヘリコプターも捜索に参加
行方が分からなくなった6人の海上保安庁による捜索には23日、釧路航空基地のヘリコプターも参加しました。
釧路航空基地では午前9時すぎ、ヘリコプター1機にクルー5人と海面からの吊り上げや潜水での救助活動などを専門的に行う機動救難士2人が乗り込み、知床半島に向かって飛び立ちました。
ヘリコプターによる捜索は午前と午後の2回、およそ1時間ずつ行われます。
当初は2機で捜索する予定でしたが、現場の天候が悪いため午前中は1機に変更されました。釧路航空基地では沈没事故で現場到着に時間を要したことなどを受けて、
▽2023年4月に機動救難士9人を新たに配置したほか、
▽2024年3月には配備されているヘリコプターを1機、増やすなどして態勢の強化を進めてきました。
ヘリコプターによる捜索は24日も行われる予定です。
林官房長官「対策は着実に進められている」
林官房長官は、閣議のあとの記者会見で「事故を受けた旅客船の安全・安心対策は、船舶運航事業者への抜き打ち監査など可能なものから順次、速やかに実施している。また改正海上運送法で、今月1日から旅客不定期航路事業に関する許可更新制度が導入されるなど対策は着実に進められている。痛ましい事故が2度と起こることがないよう引き続き、政府としてしっかり取り組んでいく」と述べました。
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