食材料費の過大徴収などで事業者指定の取り消し処分となった障害者グループホーム(GH)運営大手の「恵」(本社・東京)について、厚生労働省は2日、利用者のサービス継続のために速やかに対応するよう行政指導をした。事業所の運営が難しい状況を踏まえ、利用者や家族に丁寧な説明をすることなども求めた。

 愛知県と名古屋市は6月、同社の事業者指定を取り消す処分を公表。また、厚労省は同社の組織的な不正への関与を認定し、12都県の約100のGHを順次運営できないようにする「連座制」の適用を決めた。事業者指定を取り消される期限までに譲渡先が決まらなければ、入居者が行き場を失うことになりかねない。

 厚労省によると、同社は7月31日、最短で年内にも事業所を一括で事業譲渡すると同省に報告。ただ、10月までに指定取り消しと連座制によって運営できなくなる愛知県内の3カ所のGHに関しては、個別に譲渡を検討しているという。

 また、利用者とその家族に説明会を実施する予定で、過大徴収した食材料費の返還も進めているという。(高絢実)

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