静岡県島田市出身でロックバンド「アジアン・カンフー・ジェネレーション」の後藤正文さんが、同県藤枝市にミュージシャンらを支援するためのNPO法人を設立した。音楽制作スタジオを整備し、文化芸術振興などの面でも協力するという。

 7月19日、後藤さんが藤枝市役所で記者会見して発表した。市は同日、このNPO法人と旧市街地活性化に関する連携協定を結んだ。

 後藤さんが設立したのは「アップルビネガー音楽支援機構」(小林亮介・代表理事)。アーティストを支援するためスタジオを運営するほか、私設音楽賞や宿泊施設などの運営もするという。

 後藤さんによると、明治時代に建設され、茶倉庫などとして使われていた旧市街地にある土蔵1棟を改装するなどして、滞在型音楽制作スタジオとする。音響に配慮した室内にし、録音機材を置いてレコーディングもできるようにするという。

 後藤さんは「これまで集めたレコーディング機材を提供し、誰でも使えるようにする」と話す。年内に着工し、来年秋ごろに完成させる予定だ。

 スタジオは、後藤さんのバンドがレコーディングに使うことも検討しているが、資金面で余裕がないバンドやミュージシャンにできるだけ安価で貸すのが狙いだ。

 後藤さんは、インディーズで活動するミュージシャンらを支援してきたが、録音に使える資金に制約があるミュージシャンが少なくないという。

 「本当は音楽の才能があるのに経済的な理由で引き返してしまう人がたくさんいる」と話し、こう意気込む。「みんなが良い音でスタートできる環境を整えたい」(林国広)

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