千葉県市川市が発注した下水道関連工事を巡る贈収賄事件で、贈賄容疑で逮捕された武内剛容疑者(59)が代表取締役を務める武内建設(市川市)が、市の下水道道路復旧工事の入札で最低制限価格と同額で落札していたことが31日、捜査関係者らへの取材でわかった。予定価格に極めて近い価格で落札した入札もあり、県警は他にも予定価格の漏洩(ろうえい)や情報提供があったかどうか調べている。

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 捜査2課は収賄側の市川市下水道部次長の八田一生容疑者(59)について、2023年8月と10月に市発注の3件の下水道関連工事で、入札前に武内容疑者に予定価格や最低制限価格を教えるなどしたとして、官製談合防止法違反についても逮捕容疑とした。

 この3件のうち、23年10月19日の「公共下水道道路復旧工事」では、武内建設と別の1社が入札に参加し、武内建設が最低制限価格と同額の1720万9千円(税抜き)で落札した。8月17、18日の2件の「汚水管渠(きょ)布設工事」は、いずれも武内建設が落札し、予定価格の97%台だった。

 県警は八田容疑者が22年12月~今年4月、計36回の飲食接待を武内容疑者から受けていたとみている。この間に武内建設が落札した市発注の工事は3件だけだが、別の入札も捜査を進める。

 県警は31日午前、武内容疑者と八田容疑者を千葉地検に送検した。(鈴木逸弘、芹沢みなほ)

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