仕事中に大けがを負ったのは勤務先の安全対策が不十分だったためだとして、大阪府八尾市のベトナム国籍の男性(42)が同市の金属加工会社に約1730万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が31日、大阪地裁であった。成田晋司裁判長は「男性が理解できる方法での安全教育がなされていなかった」などとして、約1030万円の賠償を命じた。

 判決によると、男性は2014年2月ごろから同社に雇用された。15年1月に工場でプレス機に指を挟まれ、後遺症を伴う重傷を負った。

 地裁は、男性が日本語が読めず、ほとんど会話もできないのに、安全教育のための教材は日本語だけでベトナム語の教材はなかったと指摘。プレス機の安全装置の鍵の管理も不適切だったとも言及し、「男性に安全な操作方法を教育していれば事故は防げた」として、同社の安全配慮義務違反を認めた。(山本逸生)

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