旧優生保護法下で不妊手術を強いたのは憲法違反だとして、脳性まひがある西スミ子さん(77)が国に損害賠償を求めた訴訟は、東京地裁で31日、国が1650万円を支払うことで和解が成立した。旧法を違憲とし、国の賠償責任を認めた3日の最高裁判決後、和解は初めて。西さんの代理人弁護士が明らかにした。 和解後にオンラインで開かれた報告集会で、西さんは「今日はとてもうれしい。みなさんのおかげです」と話した。 最高裁大法廷は各地の障害のある人らが賠償を求めた訴訟のうち5件の判決で「国を免責するのは著しく正義・公平に反する」として、不法行為から20年の経過で賠償請求権が消滅する「除斥期間」を適用せず、国に賠償を命じる初の統一判断を示していた。 訴えによると、西さんは13歳ごろに子宮を摘出された。一時金320万円を受給したが「被害回復には到底及ばない」と考え、2022年に3千万円の賠償を求めて提訴した。 最高裁判決を受け、岸田文雄首相は係争中の訴訟に関して、和解のための合意書締結による解決を目指すと表明した。
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