調査は厚生労働省が毎年行っているもので、去年10月に全国の3400あまりの事業所から回答を得ました。

それによりますと昨年度の男性の育休取得率は30.1%で前の年にくらべて13ポイント上昇し過去最高となりました。

取得率の上昇幅もこれまでで最も大きくなっています。

女性の取得率は84.1%で、3.9ポイントの上昇となりました。

企業の規模別に男性の育休取得率の状況を見ると従業員が500人以上では34.2%、100人から500人未満で31.1%となっている一方、5人から30人未満では26.2%と企業規模が小さい方が取得率が低い傾向にあります。

育休の取得期間については女性は9割以上が6か月以上の期間となっている一方で、男性はおよそ4割(37.7%)が2週間未満にとどまっています。

政府は男性の育休取得率を2025年までに50%とするとしています。

厚生労働省は「妊娠や出産を申し出た従業員に育休取得の意向を確認するよう企業に義務づけたことが男性の育休取得率の上昇につながったとみられる。今後、育休中の給付率引き上げや男性の育休取得率の公表をより多くの企業に義務づけるなどさらに施策を強化し、政府目標の達成に向けて取り組んでいきたい」としています。

「若年層が数ヶ月休んでも回る職場にしていくことが重要」

男性の育児休業の取得率が公表されたことを受けて厚生労働省の委託事業「イクメンプロジェクト」のメンバーが記者会見を開き、「若年層が数ヶ月休んでも回る職場にしていくことが重要だ」と指摘しました。

会見では全国の18歳から25歳の男女7800人あまりを対象にした、育休取得や育児に対する意識調査の結果が公表されました。

この中では、「自分自身が育休を取得したいか」という問いに対し、男女あわせて87.7%が「取得したい」もしくは「どちらかというと取得したい」と回答しました。

「どちらかというと取得したくない」もしくは「取得したくない」と回答した人は12.3%でした。

男性のみの回答でも「取得したい」もしくは「どちらかというと取得したい」は84.3%にのぼりました。

男性の希望する育休取得期間は半年以上が3割(29.2%)で、1か月から3か月未満が25.3%となっています。

また、就職活動で「育休取得の実績がない企業に就職したいと思うか」という問いに対して、男性は57.3%、女性は65.1%が「どちらかというと就職したくない」もしくは「就職したくない」と回答しました。

「いまの若年層は育休を取ることに積極的」

プロジェクトの委員の1人で労働環境のコンサルティング会社、ワーク・ライフバランスの小室淑恵社長は「いまの若年層は育休を取ることに積極的であり、取得期間についても、数日育休を取るような『取るだけ育休』ではなく数ヶ月取得することが前提の、夫婦共に育児を行うための育休だ。労働力が不足する中でこうした学生の意向を踏まえて企業がどう対応するかで優秀な人材をとれるかが決まってくる。ぎりぎりの人員の頑張りで耐え抜く職場ではなく、働き盛りの男性が数ヶ月単位で抜けても回るような職場にしていくこと重要だ」と指摘していました。

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