この治験は、国立病院機構相模原病院と製薬会社のグループが行いました。
食物などのアレルギーで「アナフィラキシー」と呼ばれる重い症状が起きた際には、現在、緊急用の自己注射薬が使われていますが、注射をためらうなどして投与が遅れるケースがあると指摘されています。
グループでは、海外の製薬会社が開発を進める鼻にスプレーをするタイプの治療薬について、国内で最終段階の治験を行い、アナフィラキシーの症状が出た6歳から17歳までの子ども15人にこの薬を投与しました。
その結果、15人のうち14人で5分以内に症状が和らぎ始め、最終的に全員の症状が治まったということで、いずれも重い副作用などはみられませんでした。
これまでの研究で鼻からの投与で十分な量の薬が吸収されることが確認されているということで、グループでは、今回の治験で自己注射薬と同等の効果があることが確認できたとしています。
国内で開発を進める製薬会社では、今年度中に国に承認申請を行うことを目指しているということです。
国立病院機構相模原病院臨床研究センターの海老澤元宏センター長は「注射薬は一般の人や教職員が使うときにどうしても抵抗感があるが、点鼻型の薬が実用化できる見通しがたったと考えている」と話していました。
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