横浜市保健所は29日、京急百貨店(港南区)内の「日本橋鰻伊勢定」で販売された「うなぎ弁当」などを食べた計130人が下痢や嘔吐(おうと)などの症状を訴え、うち5人の便から黄色ブドウ球菌が検出されたと発表した。市保健所は食中毒と断定し、百貨店内の伊勢定を営業禁止処分とした。

 市保健所によると、症状を訴えているのは10歳未満~90代の男女130人。多くは軽症だが、2人が経過観察のために入院し、90代の女性1人が弁当を食べた後に嘔吐などの症状を発症して亡くなったという。女性は持病があり、市保健所は「因果関係は不明」としている。

 問題になっているのは、24~25日に地下1階の売り場で販売された「うなぎ弁当」と「うなぎかば焼き」。

 29日夜に記者会見を開いた京急百貨店と伊勢定の説明では、いずれも百貨店内で伊勢定がつくったもので、2日間で1761食を販売した。24日は「土用の丑の日」で、地下1階の売り場の厨房(ちゅうぼう)に加えてバックヤードの厨房も使ったという。

 亡くなった女性は24日午後6~7時ごろに弁当を食べ、深夜に救急搬送されたが、翌日死亡したという。伊勢定の富田宗一郎取締役は「多数の被害者を出したことを深くおわび申し上げる」と謝罪した。

 26日に体調不良の訴えがあり、28日午後8時までに147人から体調不良の訴えが寄せられているという。

 HPによると、日本橋鰻伊勢定は東京・日本橋に本店があり、今回の京急百貨店内の店舗を含む6店を展開している。(堅島敢太郎)

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