民事判決データベース化の流れ

 民事裁判の判決のデータベース化を議論する法務省の有識者検討会が29日、報告書を取りまとめた。民事訴訟と行政訴訟の判決全てが原則対象で、「情報管理機関」を新設し、個人名などのプライバシー情報を伏せた上で利用者に提供する。膨大な裁判情報の分析が可能となり、紛争の予防や早期解決に有効だとした。政府は早ければ本年度中に関連法案を国会提出し、2026年度中の運用開始を目指す。  民事裁判の判決は年間約20万件に上るが、裁判所のサイトや法律雑誌への掲載は数%に過ぎず、研究者や実務家からより多くの提供を求める声が上がっていた。  報告書は、全国の簡裁、地裁、高裁と最高裁の判決を対象とし、DVやストーカーを巡る損害賠償請求事件などは、訴訟関係者の権利や利益に配慮した方策を講じるとした。命令や決定については作業の負担を考慮し、社会的なニーズの高いものからデータベースに収録していくべきだとした。  裁判所から判決記録の提供を受けた情報管理機関は、個人名や詳細な住所などプライバシーに関する部分を伏せる処理をする。


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