このシンポジウムは、日本心臓移植学会が開いたもので、東京 中央区の会場には医療関係者や患者などおよそ200人が集まりました。

この中で講演したドナーの家族は22歳の娘が脳死となり、臓器を提供した経験を語り「娘の免許証にある臓器提供の意思表示は空白でしたが娘なら『あげていいよ』と言うと確信して同意しました。誰もが提供のイエス、ノーを必ず表示するような社会になってほしい」と話していました。

また、心臓移植を待つ21歳の女子大学生は、補助人工心臓を装着して成人式に参加したということで「周りの人たちからは移植の普及のため、自分たちに何ができるのかがわからないという声を聞きます。もっと世間全体を巻き込んで、移植について議論できる場がほしいです」と訴えました。

日本臓器移植ネットワークによりますと、ことし6月の時点で心臓移植を待つ人は835人で、去年1年間に実施された心臓移植は115件だったということです。

日本心臓移植学会の澤芳樹理事長は「移植後進国と言われる現状を変えてたくさんの人を助けられる国となるべく、移植医療の発展を加速させていきたい」と話していました。

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