26日、放火されたケーブルの復旧作業にあたるフランス国鉄(SNCF)職員=SNCF提供

【パリ=共同】フランスの高速列車TGVの3路線で25日夜から26日朝にかけて電気設備が放火された事件で、捜査関係者は26日、犯行がほぼ同時に行われ、手口が一致していることなどから同一組織による計画的な犯行との見方を示した。関係した組織の解明を急いでいる。運行の乱れは27日中に大幅に改善される見通し。フランスメディアが伝えた。

事件では、線路近くに敷設した電車の運転士に安全情報を送信するための光ファイバーケーブルが切断された上で放火された。犯人らはケーブルに可燃性の液体をかけて火を付けたとみられる。27日付のパリジャン紙は、パリと北部、東部、西部を結ぶ各路線の設備への放火に加え、パリと郊外の間の架線にも破壊行為があったと伝えた。

捜査関係者は「用意周到な破壊工作」だと指摘した。極左グループの関与の可能性も伝えられるが、アタル首相は、慎重な姿勢を示し「情報機関や捜査機関が犯罪者を処罰するため全力を注いでいる」と強調。憲兵隊の捜査官50人以上も捜査に加わっている。

フランス国鉄は26日夕、作業員100人以上を動員し、27日中に運行の乱れが大幅に改善されると発表した。当初は少なくとも28日まで修復作業が続き、復旧にはかなりの時間がかかるとみられていた。

ベルグリット交通担当相は今回の事件について、影響を受けた人の多くが夏休みのバカンス客だとして「五輪というよりはバカンスを狙ったものだ」との見方を示した。

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