東北地方では26日も梅雨前線の影響で雨が降った。気象庁は25日深夜に山形県に再び発表した大雨特別警報を26日朝に警報に切り替えたが、引き続き土砂災害や河川の増水、氾濫に厳重に警戒するよう呼び掛けた。国土交通省によると、同県戸沢村の最上川中流では明け方に氾濫が発生。同県新庄市では2人が行方不明となったほか、秋田県でも2人と連絡が取れなくなった。

山形県警によると、25日午後11時45分ごろ、新庄市本合海の橋付近で、住民からの救助要請を受けてパトカーで向かっていた新庄署の警察官から「流された」と110番があった。乗車していた20代の男性巡査部長と男性巡査長と連絡が取れておらず、県警はパトカーごと流されたとみて捜索している。救助を要請した住民も安否が一時分からなくなったが、その後救助された。

秋田県では、秋田市に住む86歳の男性が25日夕方から行方不明となった。同市を流れる雄物川の堤防付近で男性のヘルメットなどが見つかっており、県警は川に流された可能性があるとみている。湯沢市でも同日、土砂崩れが発生し、60代の男性作業員が行方不明となった。

山形県酒田市と遊佐町に25日午後出された大雨特別警報は夜に警報に切り替えられたが、深夜に前線上の低気圧が接近し、発達した雨雲が連なる線状降水帯が発生。気象庁は午後11時40分に2回目の大雨特別警報を発表した。対象は酒田市のほか、新庄市と庄内町、舟形町、鮭川村、戸沢村の計6市町村だった。

その後、低気圧が通過して大雨が一段落したため、26日午前5時50分に警報に切り替えた。同庁の杉本悟史予報課長は26日未明の記者会見で、1回目の特別警報を警報に切り替えた時点では「線状降水帯のような狭い範囲の集中的な降雨を予想できなかった」と説明した。

山形県では酒田市と遊佐町、新庄市、戸沢村に加え、新たに鶴岡市の一部に5段階の警戒レベルで最も高い「緊急安全確保」が発令された。新庄市では26日午前6時40分までの24時間雨量が観測史上最多の389ミリに上った。河川の氾濫が相次いだ秋田県由利本荘市も緊急安全確保が続いた。

東北の27日午前6時までの24時間予想雨量は多い所で、日本海側120ミリ、太平洋側100ミリ。その後、28日午前6時までの同雨量は、日本海側150ミリ、太平洋側100ミリ。

山形県戸沢村で氾濫した最上川中流(26日午前撮影の監視カメラ画像、山形河川国道事務所提供)

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