求人広告で「海外で高級時計を買い付ければ報酬がもらえる」などとうたい、「バイヤー」を募集していた東京都渋谷区の腕時計買い取り会社「FORTUNE」が、同社取締役によって準自己破産を申し立てられていたことがわかった。これを受け、東京地裁は破産手続きの開始を決定した。決定は17日付。

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 関係者によると、債権者は数十人おり、その多くは同社の求人に応じたバイヤーたち。負債総額は少なくとも数億円に上るという。

 バイヤーらによれば、同社はバイヤーに対し、買い付けてきた腕時計の代金に加えてその5~6%分の報酬を支払うと約束。しかし昨年11月下旬以降、これらの支払いが滞り、自分名義のクレジットカードで腕時計を購入していたバイヤーたちは多額のカード債務を負うことになった。購入したはずの腕時計の実物を見ていないと主張するバイヤーもいた。中には、3千万円を超える債務を負うことになったり、自己破産を検討したりしている人もいるという。

 取締役側は取材に対し、準自己破産を申し立た理由について「債権者らによる混乱を避け、資産の散逸を防ぐために、法的手続きによる解決を図ることとした」と説明。事実上のオーナーとされる別の男性が「経営、業務遂行、その他の運営一切を1人で取り仕切っていた」とし、その男性は「行方不明」となっているとした。(中野浩至)

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