大手パチスロ機メーカー「ユニバーサルエンターテインメント」(東京都、東証スタンダード上場)の創業者(81)が、日本よりも税率が低い香港にある資産管理会社の利益をめぐり「タックスヘイブン(租税回避地)対策税制」を適用されるなどし、東京国税局から約50億円の所得税の申告漏れを指摘されていたことが関係者への取材でわかった。

 創業者はユニバーサル社元会長の岡田和生氏。追徴税額(更正処分)は2020年までの3年間で無申告加算税を含め約27億円とみられる。岡田氏は国税不服審判所に審査請求をしたが、昨年棄却されたという。

 関係者によると、資産管理会社は、ユニバーサル社の親会社に当たり、岡田氏と親族が株を保有している。所在する香港は法人税率が日本よりも低い。

 同国税局は、資産管理会社には事業実態がなく、所得のうち約30億円については、岡田氏の所得として日本で税務申告するべきだと指摘。租税回避を防ぐためのタックスヘイブン対策税制を適用したという。

 また岡田氏は、資産管理会社から受け取っていた配当についても所得として申告しておらず、申告漏れの総額は約50億円になるとみられる。

 岡田氏は1969年にユニバーサル社の前身の会社を創業、17年に会長から退いた。資産管理会社には11年時点で約1千億円相当の資産があったという。

 取材に対しユニバーサル社は「岡田氏は現在は当社と関係がありません」とした。(花野雄太)

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