伊豆諸島の鳥島東方海域で計8人が乗った海上自衛隊のSH60K哨戒ヘリコプター2機が墜落、1人が死亡した事故で、海自と海上保安庁は22日、行方不明となっている7人の捜索を続けた。機体は海底に沈んでいる可能性があることから、海自は位置特定のため、海底の地形などを測定する海洋観測艦を投入する方針だ。

海自によると、海自の潜水艦を探知する訓練中だった20日午後10時38分ごろ、大村航空基地(長崎県)所属の1機の通信が途絶えた。小松島航空基地(徳島県)所属のもう1機とも連絡が取れず、防衛省は2機が衝突した可能性が高いとみている。回収したフライトレコーダー(飛行記録装置)を神奈川県の海自厚木航空基地に運び込んでおり、今後解析を進める。

伊豆諸島の鳥島東方海域で回収された海上自衛隊のSH60K哨戒ヘリコプター2機のフライトレコーダー(21日)=同隊提供、共同

捜索には海自の護衛艦や航空機のほか、海上保安庁の巡視船も参加している。墜落現場は鳥島の東約270キロで、水深は約5500メートル。これまでにヘリの回転翼のブレード(羽根)や機体の一部、ヘルメット数個が見つかっている。

自衛隊では2022年1月に空自のF15戦闘機が石川県の小松基地を離陸した直後、洋上に墜落して2人が死亡したほか、昨年4月には陸自のUH60JAヘリが沖縄県宮古島付近で墜落し、搭乗者10人全員が死亡するなど、航空機の事故が相次いでいる。〔共同〕

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