勤務先の名古屋市立小学校から検査用に保存されていたパンなどを持ち帰ろうとし、懲戒免職となった女性が処分の取り消しを求めた訴訟で、名古屋地裁(五十嵐章裕裁判長)は22日、「損害は相当に軽微。免職は重きに失する」とし、免職処分などを取り消すよう市側に命じた。
判決などによると、原告の50代女性は1997年から学校給食の調理員として勤務。2022年2月に勤務先の調理場で冷凍保存されていたパン2個と油揚げ2袋を自宅で食べるために持ち帰ろうとし、「公金物の窃取」として同5月に懲戒免職となった。食品は食中毒などが発生した際の検査用として保存され、近く廃棄予定だった。
判決は、損害は軽微で、女性に過去の懲戒処分歴はなく、謝罪をしていることなどから、処分は社会通念上著しく妥当を欠き、市教育委員会の裁量権の範囲を逸脱し違法だと結論づけた。市教育委員会は「今後の対応は判決内容を精査して検討する」とコメントした。(高橋俊成)
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