愛知県蒲郡市内の東海道新幹線豊橋―三河安城間の上りで22日未明、保守用車同士が衝突し、脱線した。東海道新幹線は一部の列車を除き、始発から運転を見合わせた。東京駅では運転再開を待つ人や、切符変更のため窓口や券売機に並ぶ人たちで混雑した。夏休みに入った親子連れやインバウンド(訪日客)増加を反映してか、大きなスーツケースを抱えて座り込む外国人観光客の姿が目立った。

東海道新幹線の豊橋―三河安城間で、衝突し脱線した保守用車両

 午後1時ごろ、八重洲中央南口では、ブラジルから2日前に家族4人で初めての日本旅行に来たという女性(24)がスーツケースにもたれて座っていた。京都に向かう予定だったが、「2時間以上も待っている。情報がない」と疲れた様子を見せた。

東海道新幹線の一部区間が運転見合わせとなり、混雑するJR東京駅

 夫婦で東京観光に訪れ、大阪に帰るという大阪市の大野輝雄さん(76)は、北陸新幹線で敦賀(福井県)まで行き、在来線に乗り継いで帰宅しようと切符変更の列に並んだ。「いつまでかかるのか。今日中に着けばいいが…」  栃木県矢板市の会社役員、和気正典さん(46)は小学生の長男(11)が夏休みに入り、広島へ旅行に行く途中だった。「困った。夏休みの旅行が、初日から足止めをくらった。暑いから外にも行けないし…」とため息をついた。

東海道新幹線の運転見合わせが続き、JR名古屋駅改札付近で退屈そうにする子どもら

 出張帰りの人たちの姿もあった。仕事で宇都宮市に滞在し、大阪府に戻る予定だった男性会社員2人組は、東京にもう1泊することを決めた。「こんなに長い時間の運転見合わせに巻き込まれたのは初めて。きょう帰るのはあきらめました」と話し、スマートフォンで宿泊するホテルを探していた。(奥野斐) 

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