今月中にもミャンマーからアジアゾウ4頭を迎え入れる福岡市動物園で、ゾウエリアがリニューアルされた。新設したプールで水浴びや泥遊びをする様子が見られるほか、動物福祉の観点から運動場の面積も3倍の3200平方メートルに拡張した。

 来園するのは3~22歳のメス3頭と14歳のオス1頭。同園での飼育は初となるオス用のゾウ舎などを新設したため、工事費は約18億8200万円となった。

 メスエリアでは、ゾウがこれまで暮らしていたミャンマーの山地の環境に近づけるよう、高さ13メートルほどの丘を残し、ゾウが自由に登れるようにした。丘の上には、来園者がエリア全体を見渡せる展望デッキ付きの休憩所を新設。デッキの下には赤外線センサー付きのシャワーがあり、ゾウが鼻を近づけると、頭上から水が出る。

 オスエリアの運動場には、あちこちに丸い穴を開けた壁を用意。毎日、違う穴にえさを置くことで、ゾウが変化を楽しめるようにした。また発情期のオスは特に気性が荒くなるが、壁越しにえさやりができるため、飼育員とゾウが接触してけがをするリスクを防げるという。

 ゾウは1953年の開園以来、園のシンボルとして愛されてきたが、2017年にメスのアジアゾウのはな子が死んでからは、長く不在が続いていた。(福井万穂)

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