愛知県犬山市のアパートで、女児(7)を暴行して死なせるなどしたとして母親(33)の内縁の夫(32)らが傷害致死などの疑いで逮捕された事件で、母親のスマホに女児がけがをしている画像が残っていたことが18日、捜査関係者への取材で分かった。

 こうした画像が複数あったことなどから、県警は日常的に虐待があったとみて調べている。

 県警によると、死亡したのは小学1年の島崎奈桜(なお)さん。母親の内縁の夫の倉田凱(がい)容疑者は5月24日午後8時40分~25日午前7時40分ごろ、アパートの一室で奈桜さんに暴行を加え、同月26日午前10時ごろ、岐阜市内の病院で敗血症性ショックで死亡させた疑いがある。母親の島崎みなみ容疑者(33)は奈桜さんが嘔吐(おうと)や腹痛などを訴えていたにもかかわらず、同月25日午前8時40分~26日午前8時45分ごろ、自宅や岐阜県の実家で放置し、死亡させたとして、保護責任者遺棄致死の疑いで逮捕された。

内縁の夫「やりすぎた」などと返信

 捜査関係者によると、島崎容疑者のスマホには奈桜さんが顔にけがをしている画像などが残っており、倉田容疑者にSNSで送信していた。倉田容疑者は「うそをついたからだ」「やりすぎた」などと返信していたという。

 愛知県一宮児童相談センター(同県一宮市)は2022年12月と23年4月に奈桜さんを一定期間一時保護したうえで解除した。県警が捜査したが、いずれも事件性は確認できなかったという。

 この日会見した一宮児相の杉本一正センター長によると、一時保護の解除後、島崎容疑者から奈桜さんのけがに関する報告が複数回寄せられ、一宮児相は複数回自宅を訪れるなど、見守りを続けていたという。杉本センター長は「奈桜さんから虐待の証言が引き出せず、母親と一緒にいたいという強い希望もあった中で、これ以上の対応に踏み切ることは難しかった」と話した。(奈良美里、伊藤舞虹)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。