自民党の堀井学衆院議員(52)=比例代表北海道ブロック=が、秘書らを通じて選挙区内の複数の有権者に自身名義の香典を提供した疑惑で、東京地検特捜部は18日、公選法違反容疑で東京・永田町の議員会館や北海道登別市内の堀井氏の事務所などを家宅捜索した。

堀井氏は同日、自民党に離党届を提出し、了承された。

議員会館事務所の捜索は午前10時45分ごろ開始。東京地検の係官約15人が現れ、緊張した表情で事務所内に入った。地元事務所でも係官10人が捜索に着手したほか、衆院青山議員宿舎(東京都港区)にも係官6人が入った。

関係者によると、堀井氏は2022年ごろ、選挙区の北海道9区(苫小牧市など)の有権者に対し、自身の名前を書いた香典などを秘書らに繰り返し持参させていた疑いが持たれている。違法な寄付の総額は数十万円に上る可能性があるという。

堀井氏は安倍派の政治資金パーティーを巡る裏金事件で、18~22年の5年間で派閥からの還流分計2196万円を政治資金収支報告書に記載していなかったことが発覚。今年4月に党役職停止1年間の処分を受け、5月には政治資金規正法違反容疑で告発された。

特捜部は裏金が香典などの原資になっていた可能性もあるとみて、実態解明を進めるとみられる。

堀井氏の事務所は、これまでの取材に「コメントできない」としている。

記者会見で次期衆院選への不出馬を表明する自民党の堀井学衆院議員=6月25日、札幌市

堀井学衆院議員の地元事務所へ家宅捜索に入る東京地検特捜部の係官ら=18日午前、北海道登別市

堀井学衆院議員の公選法違反疑惑で、衆院青山議員宿舎に家宅捜索に入る東京地検の係官ら=18日午前、東京都港区

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