長刀鉾を先頭に四条通を進む祇園祭の「山鉾巡行」(17日午前、京都市内)

京都・祇園祭で17日、ハイライトとなる前祭の「山鉾(やまほこ)巡行」が行われ、豪華な装飾品に彩られた山鉾23基が都大路を進んだ。蒸し暑いなか、沿道に集まった観客らは「動く美術館」とも呼ばれる古都の風物詩に見入った。

午前9時ごろ、祇園ばやしの響きとともに先頭の「長刀鉾(なぎなたほこ)」が京都市中心部の四条烏丸交差点を出発した。鉾に乗った稚児の西川雅基さん(11)がしめ縄を太刀で断ち切ると、拍手が沸き起こった。

最大の見せ場は鉾を90度に方向転換する「辻回し」。鉾の車輪の下に竹を敷いて水をまき、「よーいとせ」の掛け声で男性たちが縄を引くと、鉾は滑るように向きを変えた。

この日、京都市内は曇りがちで午前10時すぎに気温30度を超えた。湿気が肌にまとわりつく暑さで、うちわや手持ち扇風機で涼をとる姿が目立った。

京都市下京区の呉服店勤務、万條なつ美さん(26)は幼少期から観覧しているといい「辻回しは毎回感動する」と話した。

ドイツから訪れた会社員のビオレタ・モランスカさん(30)は「伝統的な祭に多くの人が集まっていて驚いた。写真をインスタグラムに投稿して地元の友人らに紹介したい」と笑顔だった。

祇園祭は7月1日〜31日に開催される。24日の後祭では、別の山鉾11基が巡行する。

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