東京都千代田区発注の工事で入札情報を漏らす見返りに現金などを受け取ったとして、あっせん収賄などの罪に問われた元区議の嶋崎秀彦被告(64)の判決公判が16日、東京地裁であり、中村光一裁判長は懲役2年6カ月執行猶予4年、追徴金32万3080円(求刑懲役2年6カ月、追徴金32万3080円)を言い渡した。

 判決によると、嶋崎被告は区の元部長らと共謀し、2020年5~8月にあった区立お茶の水小学校・幼稚園の設備工事など5件の一般競争入札で、最低制限価格に近い金額などを浜松市や千代田区の2業者側に伝えた。このうち2件で、見返りとして現金約5万5千円や商品券10万円を受け取るなどし、計約32万円の賄賂を受けた。

 判決は、「区議という立場を利用し、秘密の漏示を主導した」と指摘。「入札の公正を害し、入札行政に対する区民の信頼を損なうものだ」と批判した。(三井新)

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