愛知県が今秋開業するスタートアップ(新興企業)支援拠点内の施設で展示する偉人を男性のみとしていたことについて、大村秀章知事は16日の会見で「課題はあると認識していた」と述べた。そのうえで、女性起業家のジャンルを設けて展示を拡充させる考えを明らかにした。

 施設は国内最大の支援拠点「ステーションAi」(名古屋市昭和区)内の2階に整備される「あいち創業館」。トヨタ自動車の豊田喜一郎氏やソニーグループの盛田昭夫氏ら、愛知県ゆかりの創業者や経営者54人の業績やエピソードを展示する予定だった。ただ、いずれも男性ばかりだった。

 大村知事はこの日の会見で「54人には、トヨタやソニーに匹敵する女性起業家がいなかったのでこういう形になった」と釈明。「明治、大正、昭和の時代背景として、女性が事業を興すことが難しかったのは事実」と語った。今後、こうした背景説明をしたうえで、インフラや自動車、繊維などのジャンルに女性起業家を新設し、数人の展示を追加したいとの考えを示した。

 この問題をめぐっては、愛知県が今年5月に展示対象者を公表して以降、市民から批判の声が寄せられ、見直しを決めていた。(野口駿)

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