能登半島地震で大きな被害を受けた石川県七尾市の能登島で14日、恐竜の着ぐるみ姿でかけっこをする「ティラノサウルスレース」があり、県内外の小学生から70代まで約110人が芝生のコースを力強く駆け抜けた。ぎこちない動きで転んだりすると、見守った被災者らに笑顔が広がった。

ティラノサウルスのかぶり物を着て、コースを駆け抜ける参加者たち=14日、石川県七尾市の能登島で

 恐竜の着ぐるみは、事前にそれぞれの参加者が用意。小学生以下の「幼獣の部」は40~50メートル、中学生以上の「成獣の部」は60~70メートルを走り、順位を競った。

◆中止になったトライアスロン大会代わり、元気届けよう

 成獣のオスの部で優勝した富山県氷見市消防本部の浅野朔弥(さくみ)さん(27)=氷見市=は石川県輪島市出身。実家に大きな被害はなく、けがをした知人もいなかったが「地震の数日後に帰省した際、見慣れた景色がぐちゃぐちゃでびっくりした」。地震後は2度、能登地域の消防に派遣された。「少しでも能登を活気づけるため、頑張って走った」と胸を張った。  能登島では10年ほど前から、有志でつくる実行委がトライアスロンの大会を開いてきたが、今夏は地震の影響で中止に。それでも被災地域に元気を届けようとレースを企画し、能登島地域づくり協議会や、同県宝達志水町のレースの実行委などの協力を得て、開催にこぎつけた。東京新聞と同じ中日新聞社が発行する北陸中日新聞も共催した。(清水裕介) 

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