国土交通省北陸地方整備局などは12日、能登半島地震で海底が隆起して出漁できなくなっている輪島港(石川県輪島市)を、地震前の状態に戻す短期復旧方針を発表した。場所は移転せず、現在の輪島港でおおむね2、3年で本復旧を完了させる。

◆もずく漁は再開、底引き網など段階的に

 方針は、国や石川県、輪島市、有識者らでつくる検討会が策定。5月と7月の会合で出た意見を取りまとめた。

しゅんせつ工事が始まり、海底から堆積物を引き上げる作業船=2月16日、石川県輪島市の輪島港で

 漁船だまりでは、隆起した海底を掘り下げる浚渫(しゅんせつ)を進めつつ、漁協の共同利用施設周辺にある船荷を陸に揚げる物揚げ場の本復旧を進め、漁業の早期再開を目指す。岸壁が隆起したマリンタウンでは船の乗り入れがしやすいように既設の岸壁前面を活用した構造を検討し、近くの仮設住宅への騒音や振動に配慮して工事を進めるとした。  県は輪島港で今夏以降の漁業再開に向け、県漁協などと調整を進めている。12日には海女によるもずく漁が再開し、底引き網や刺し網などの漁も復旧状況に応じて段階的に再開する見込み。検討会では今秋から、にぎわいやなりわい再建など中長期の復旧方針も協議する。(広田和也) 

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