千葉銀行からアパートローン約2億9500万円をだまし取ったとして、警視庁は不動産コンサル会社社長の藤本優容疑者(32)=東京都港区=を詐欺容疑で再逮捕し、12日に発表した。認否は明らかにしていない。

 捜査2課によると、藤本容疑者は同社社員らと共謀して2019年10月下旬から12月中旬ごろ、埼玉県内の30代会社員男性の名義で千葉銀行にアパートローンを申し込み、偽造した源泉徴収票などを提出。19年12月中旬ごろ、融資金約2億9500万円をだまし取った疑いがある。同課は男性や同社元従業員ら4人も同容疑で12日に書類送検した。

 男性は藤本容疑者らから指示を受け、外資系金融機関の社員をかたり、偽の社員証を作って申請。年収は実際の約10倍、金融資産残高は約400倍あるとうそをついたという。

 男性は融資金のうち約2億6千万円で物件を購入して運用し、賃料収入を得ていた。藤本容疑者らは融資金と物件購入費の差額のほか、仲介手数料を得ていたという。

 藤本容疑者は同様の手口で横浜銀行から計6億円超をだまし取ったとしてこれまで2回逮捕、起訴されている。同課は、藤本容疑者らが19~22年、同様の手口で複数の銀行から計約32億円をだまし取ったとみて調べている。(福冨旅史、三井新)

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