今年2月に埼玉県蕨市であったクルド人に対するデモで、警備中の埼玉県警職員が、デモに抗議する市民に対して「雑魚ども」と発言していたことが19日、わかった。市民団体「埼玉から差別をなくす会」の質問状に対し、県警が文書で「当該職員個人による不適切な発言であり、遺憾」と認めた。

 問題の発言は、デモ参加者が撮影したとみられる動画に記録されていた。デモに対して抗議する市民について、撮影者とみられる男性が「今日、多いですね」と話しかけ、警察職員とみられる男性が「雑魚どもだから」と話す様子が映っていた。動画サイトに投稿されていたが、現在は非公開になっている。

 市民団体は今月3日、この動画の発言が県警職員によるものかなどを問う公開質問状を、県警本部長や県公安委員会などに宛てて提出していた。県警は「今後このようなことがないよう、警察職員に対する指導・教養を進めてまいります」とも回答している。

 市民団体の世話人の中島麻由子さん(39)は回答を受け、「警察の左派の運動への嫌悪感を感じた。不適切な言動をすれば、市民からの信頼を失う。今後の指導を頑張ってほしい」と話した。(浅田朋範、宮島昌英)

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