水俣病の患者団体などと伊藤環境大臣の再度の懇談は、最終日となる3日目の11日午前、水俣病の発生地域にある鹿児島県長島町の離島、獅子島で行われました。

伊藤大臣は冒頭、団体側の発言中に環境省の職員がマイクを切ったことについて改めて謝罪したうえで「離島ならではの苦労、不便があると思う。しっかり時間をとって話を聞きたい」と述べました。

当時の懇談に参加していた被害者団体「水俣病被害者獅子島の会」の滝下秀喜会長は「時を待てば、自然と解決するものではない。一つずつ丹念に取り組むことが解決への道だ」と述べ、島の外にある医療機関に通院した際に支給される「離島手当」の増額など、離島に暮らす被害者への支援の拡充を訴えました。

このあと熊本県天草市の御所浦島で、被害者団体「水俣病患者連合」との懇談が行われました。

この団体は1995年の政治解決で対象となった人たちでつくられ、当時の解決策には「離島手当」の支給がなかったことから、新たに追加してもらえるよう求めました。

こうした要望に対し伊藤大臣は「実現できるように努力する」と述べ、「離島手当」の増額や支給について検討する考えを示しました。

伊藤環境相「できることはすぐに」

3日間の懇談を終えた伊藤環境大臣は「密度の濃い懇談で、求められていることが多岐にわたり、患者や被害者の声をつぶさに聞くことができたと思う」と振り返りました。

そのうえで「環境省としてできることはすぐに、すぐにできないことは概算要求で求めていきたい。信頼関係をさらに深め、問題の解決の方向に前進させたい」と述べました。

また、被害者団体と国、熊本県などで近く実務者協議を始める見通しとなったことについて伊藤大臣は「多くの要望を聞き、どれが一番初めにというのは決め切れていないが、要望の精査、関係団体との協議を行い、なるべく早く進めていきたい」と述べました。

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