三重県鈴鹿市の国立病院機構鈴鹿病院で2023年、複数の医師や看護師が重度の障害がある患者に虐待が疑われる行為をしていたことが11日、県や病院などへの取材で分かった。患者25人に計36件の行為が確認され、病院は第三者を含む調査委員会を設置し、詳細を調べている。

県などによると、虐待に関する匿名通報が今年5月、国立病院機構本部(東京)などにあり、県が聞き取り調査を実施。医師ら計8人による身体的、心理的虐待などが疑われる行為が確認された。「ダンゴムシみたい」「ごみみたい」との患者に対する暴言もあったという。

障害者虐待防止法は虐待が疑われる行為があった場合、患者の住んでいた自治体への通報を病院に義務付けている。県によると、匿名通報の前に病院は行為を把握していたが、自治体に通報していなかったという。

病院には医療的なケアや介護が必要な重度心身障害のある患者や、筋肉が衰える難病「筋ジストロフィー」の患者らが入院している。棚田良之事務部長は取材に「患者とその家族にご迷惑をおかけしおわびする。今後、自治体の指導に基づき再発防止に努める」と述べた。〔共同〕

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