NTT西日本の子会社から900万人分を超える個人情報が流出した問題で、不正競争防止法違反の罪に問われた「NTTビジネスソリューションズ」(BS社)の元派遣社員、景山昌浩被告(64)の判決公判が11日、岡山地裁津山支部であった。玉田雅義裁判官は懲役3年執行猶予4年、罰金100万円(求刑懲役3年、罰金100万円)を言い渡した。

 判決よると、景山被告は昨年1月17日、貸与パソコンを使ってBS社のサーバーにアクセスし、保管されていた顧客の名前や住所などのデータをダウンロードして複製。東京都内の名簿業者へメールで送信していた。

 検察側は公判で、借金の返済に窮していた景山被告が2016年2月ごろ、自動車ローンの一括返済を求められたことから、別の会社で起きた個人情報流出事件に着想を得たと指摘。23年1月ごろまでの約7年間にわたって名簿業者に個人情報を売り、多額の利益を得ていたと主張。模倣犯を許さないためにも厳罰が必要と断じた。

 これに対し、弁護側は景山被告がハッキングなどの手段を使っておらず、社内で誰でも情報の持ち出しが可能だったなどとして、執行猶予付きの判決を求めていた。(北村浩貴)

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