SNSを使った詐欺の被害が拡大するなか、香川県警は県内の銀行や証券会社など9企業・団体とともに、被害防止に向けた共同宣言を発表した。

 宣言には、香川銀行や県農協、香川証券などが参加し、県民の資産を守るため相互に連携することを明記した。

 6月28日にあった宣言の式典で、百十四銀行の大山揮一郎専務執行役員は「詐欺被害の防止は健全な金融取引や投資環境の整備の観点からも重要」と意義を強調した。県警の岡本慎一郎本部長は「SNS上でアプローチを受けた際に(県民自身が)危険を察知し、立ち止まっていただくことが重要」と話した。

 県内では、SNSでうその投資話を持ちかけたり、恋愛感情を利用したりして金をだまし取る「SNS型投資・ロマンス詐欺」の被害件数が、1~5月に112件(前年同期比97件増)確認されている。被害金額も約9億8800万円(同8億5500万円増)と膨らんでいる。

 そのうち、投資話で金をだまし取る投資名目の被害が件数、金額ともに94%を占める。

 県警はこうした状況を踏まえ、宣言に参加した9団体から協賛金を得て、啓発動画を作った。ニュースキャスターのような女性が手口を紹介したうえで、「詐欺師に投資していませんか?」「詐欺師に恋していませんか?」と尋ねる構成になっている。

 インスタグラムやユーチューブの広告、街頭のデジタルサイネージ(電子看板)などで流し、県民に注意を呼びかける。

 県警の井口雅博生活安全部長は「犯罪形態は変わっていく。今後も(企業などと)情報共有をして、有効な取り組みをしていきたい」と話した。(土居恭子)

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