千葉県船橋市の自宅で長男を床に投げるなどして昨年7月に生後11カ月で死なせたとして、県警は10日、同市藤原5、母親の無職、野中千宙容疑者(26)を傷害致死などの疑いで逮捕した。

容疑を認め「ストレスで頭にきた。昨年3月くらいから暴行を加えていた」と話している。県は、児童相談所が育児放棄の懸念から長男を一時保護したことがあったと明らかにした。

県警によると、亡くなったのは長男の千巴弥ちゃん。布団の中で冷たくなっていることに容疑者の夫(34)が気付いて容疑者が110番し、搬送先の病院で死亡が確認された。司法解剖の結果、死因は脳損傷だった。

容疑者は夫と長女、千巴弥ちゃんの4人家族。通報時は全員、家にいた。県警は恒常的な児童虐待がなかったか慎重に調べる。

県などによると、千巴弥ちゃんが生まれた22年8月、容疑者一家が暮らしていた千葉市の児相が、妊娠中に病院未受診だったことなどから育児放棄の恐れがあると判断。千巴弥ちゃんが生まれた直後から、一家が船橋市へ引っ越してからも一時保護した。

昨年5月以降、県の児相や同市の担当者が計4回、家庭を訪問。傷やあざなどの身体的な虐待の形跡は確認されなかった。

逮捕容疑は昨年3月以降、千巴弥ちゃんを床に投げたり顔を平手打ちしたりし、同年7月下旬に死亡させた疑い。〔共同〕

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