太平洋クロマグロの漁獲枠について話し合う国際会議が10日、北海道釧路市で開幕した。乱獲で減っていた資源量が回復していることを理由に、日本は大幅な増枠を提案するが、慎重論も根強い。一連の会議が閉幕する16日までにどの程度歩み寄れるかが焦点だ。
日本は今回、太平洋中西部の年間漁獲枠を30キログラム以上の大型魚は現在の2.31倍、30キログラム未満の小型魚は30%増やすよう提案。増枠でまとまれば3年ぶりとなる。坂本哲志農林水産相はビデオメッセージで「現在の資源状況に見合った漁獲上限の増枠を行うことが必須だ」と主張した。
現行の漁獲枠は大型魚が全体で年間7609トン、このうち日本は5614トン。小型魚は全体で4725トン、日本は4007トンと定めている。
クロマグロは高級なすしネタなどとして人気の最高級品で、本マグロとも呼ばれる。水産庁が2022年に全国の産地で調査したところ、平均的な卸売価格は冷蔵物で1キログラム当たり2700円。1700円程度のメバチ、500円程度のビンナガと比べて高い。漁獲枠の拡大は、漁業関係者が強く求めている。
会議の日程は、中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)北小委員会と全米熱帯まぐろ類委員会(IATTC)の合同作業部会が13日まで。その後、15日から2日間の日程でWCPFC北小委が開かれる。来年以降の漁獲枠について具体案をまとめる予定で、日本の水産庁は16日夜にも結果を公表する。
北海道釧路市で開幕した太平洋クロマグロの国際会議=10日午後
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