研修は、犯罪被害者や遺族が刑務官などを介して加害者に心情を伝える制度が始まったことを受けて行われ、刑務官などおよそ140人が参加しました。

講師を務めたのは5年前の2019年、東京 池袋で起きた暴走事故で妻の真菜さんと娘の莉子ちゃんを亡くした松永拓也さんで、ことし3月に制度を利用した感想などを語りました。

制度では、心情を伝えた際の加害者の様子を被害者側が知ることが可能で、松永さんは、「真摯(しんし)に受け止めていると感じた。加害者の心情がわかり、自分にとっては心の回復につながった」と話しました。

そのうえで「反省していないと被害者が受け止めることもあるかもしれない。加害者の更生がかなわないと知る機会にもなりうるので、被害者支援センターと連携するなど、利用後の心のケアがあったらよりよいと思う」と提言しました。

研修に参加した刑務官の女性は「被害者の声を聞く機会があまりなかったので、うまくできるか不安もあるが、矯正施設に足を運び、心情を話す被害者は私たち以上に不安だと思う。その気持ちを受け止めながら話を聞きたい」と話していました。

松永さんは「加害者の立ち直りと被害者の心の回復につながる可能性がある制度だと思う。担当職員の負担は大きいだろうが、よりよい制度にするため力を尽くしてほしい」と話していました。

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