「物心ついた時からの願いがやっとかないました」。手術なしで戸籍上の性別を男性から女性に変更すると認めた10日の広島高裁決定を受け、申立人は代理人弁護士を通じ安堵の思いを伝えた。

2019年の申し立てから約5年。広島高裁で決定文を受け取った代理人の南和行弁護士と吉田昌史弁護士は取材に「本人が安心して生活できるようになったのが何よりもうれしい」と語った。

申立人に電話で決定内容を伝えると、おえつを漏らした後「ほっとしました」と返ってきたと説明。その後「社会的に生きている性別と戸籍のギャップによる生きにくさから解放されることを大変うれしく思う」との申立人のコメントを読み上げた。

南弁護士は「性別変更を諦めていた人たちが、裁判所に声を上げやすくなったと思う」と今回の決定の意義を指摘。一方、高裁が申し立てを認めたため、最高裁で憲法判断はなされず、今後も残る外観要件規定について「政府がリードし、新しい法律の形を提示することが必要だ」と訴えた。〔共同〕

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