神戸・ポートアイランドの市道で4月、トレーラーから落下した鉄製のかごに歩行者が下敷きになった事故で、この鉄かごの撤去を怠ったとして、兵庫県警は近く、自動車販売会社の従業員の男を業務上過失致傷容疑で聴取する方針を固めた。

 捜査関係者への取材で分かった。県警はこの男が事故前日にトレーラーに鉄かごを載せたことが事故の引き金になったとみている。

 事故は4月11日午前6時45分ごろ起きた。神戸市中央区港島9丁目で、同社員(61)=自動車運転死傷処罰法違反罪で有罪判決=の運転するトレーラーが積み荷作業場から車道に出た際、コンテナ上に置かれていた鉄かご(約900キロ)が電線に引っかかって落下。歩いていた男性(60)が下敷きになった。

 男性は頭蓋骨(ずがいこつ)骨折などで一時重体となり、その後一命を取り留めた。捜査関係者によると、鉄かごは作業場内で鉄くずやタイヤを入れる用途で使われ、コンテナに載せるものではないという。

 従業員の男は事故前日の午後2時ごろ、トレーラーのコンテナの上に鉄かごを載せ、固定されておらず落下の危険性があると認識していながら、降ろすなどの回避をせず漫然と放置し、男性を負傷させた疑いがある。

 会社では過去にも何度か鉄かごをコンテナの上にのせていたと県警はみる。(原野百々恵、宮坂奈津)

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