熊本市は9日、熊本市電がドアを開けたまま走行するミスが6月にあったと発表した。市電は今年、ドア開け走行や信号無視などが相次いでおり、これで9件目。

 市交通局によると、6月21日、走行する車内でビールやおつまみを楽しめる催し「ビアガー電」の試走中に運転席の後ろのドアが開き、約15メートル走行した。ビールなどを積むためにドアを手動で開閉できるようドアコックを開けており、元の状態に戻さず発車。下り坂でブレーキ操作をした際にドアが開いたという。スタッフなどの乗客にけがはなかった。

 ドアが開いた際、車内のドア近くにいた交通局職員などが手で押さえて閉めた。職員は「全開ではなかった」と考えたため報告せず、この職員から「ドアが開きそうだ」と伝えられてドアコックを戻した運転士は、ドアが開いていたとは認識していなかったため、このミスは誰からも報告されないままだった。

 だが7月5日、ビアガー電の出発準備中にドアコックが開いていることに職員が気づき、検証する中で6月にも同様の事案があったことが発覚。ドライブレコーダーを見返したところ、ドアが全開状態になっていたことが確認されたという。

 度重なるトラブルについて、市は第三者委員会で再発防止策を探っており、今回のミスについても報告する。(杉浦奈実)

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