東京都品川区の住宅で5月、母子4人の遺体が見つかった事件で、警視庁は、母親への殺人容疑で逮捕した元夫の後藤祐介容疑者(46)について、子ども3人への殺人と現住建造物等放火の疑いで10日に再逮捕する方針を固めた。捜査関係者への取材で分かった。

 後藤容疑者は3人の父親で、逮捕後の調べに「とんでもないことをしてしまった」と後悔の言葉を話しているという。

 捜査関係者によると、後藤容疑者は5月22日午後5時~23日午後1時半、品川区戸越2丁目の自宅で、長女で小学1年の後藤鈴(りん)さん(6)、いずれも保育園児で次女の後藤玲(れい)ちゃん(3)、長男の後藤信(しん)ちゃん(2)の胸などを包丁で刺し、室内に火をつけ、死亡させた疑いがある。

 司法解剖の結果、玲ちゃんの死因は刺されたことによる失血死、鈴さんと信ちゃんの死因は煙を吸ったことによる急性一酸化炭素中毒だった。警視庁は鈴さんと信ちゃんは放火が原因で死亡したと判断し、殺人容疑に加え、現住建造物等放火容疑も適用した。

子ども3人、逃げ回ったり放心状態だったり

 捜査1課によると、後藤容疑者は元妻の高波冬美さん(37)と事件発覚3日前に離婚。22日午後7時ごろ、冬美さんに「今すぐ出て行け」と言われたことがきっかけで冬美さんを殺害し、その後に子ども3人を包丁で刺し、放火したという趣旨を供述しているという。

 捜査関係者によると、後藤容疑者は「お母さんが死んでお父さんが捕まると子どもたちが可哀想だと思った」と供述。子ども3人は当時、逃げ回ったり放心状態だったりしたといい、後藤容疑者は「申し訳ないことをした」と話しているという。(遠藤美波、長妻昭明、藤田大道)

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