三菱UFJ銀行の行員が、取引先の未公開情報を親族らに漏えいした疑いがあるとして、証券取引等監視委員会が5月、金融商品取引法違反の疑いで行員の自宅や三菱UFJ銀行本社(東京都千代田区)などに強制調査に入ったことが9日、関係者への取材で分かった。

金商法は、上場会社の重要事実を公表前に知った会社関係者が、他人に利益を得させたり、損失を回避させたりする目的で情報を伝達することを禁止している。

関係者によると、行員は本社勤務の30代男性。同行の顧客企業がTOB(株式公開買い付け)を行うという情報を知り、公表前に複数回にわたって親族らに伝えた疑いが持たれている。親族らは公表前に顧客企業の株を購入し、不正に利益を得たという。

行員自身は利益を得ていないとみられ、監視委の調べに「親族らが株取引をしているとは知らなかった」などと説明しているという。

三菱UFJ銀行本店=東京都千代田区(AFP時事)

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