伊豆諸島東方の太平洋で海上自衛隊の哨戒ヘリコプター2機が墜落した事故で、海自は9日、事故調査報告書を公表した。同じ海域に向かう途中、互いに警戒が不十分だったことや指揮官同士の連携不足などを事故原因に挙げた。
事故は4月20日午後10時33分ごろに発生。2機の哨戒ヘリSH60Kが潜水艦を捜索する訓練中に衝突し、乗員計8人が死亡した。
1機は直進し、もう1機は時計回りで旋回した際、高度150フィートで衝突。海自が回収されたフライトデータレコーダーを解析したところ、うち1機は衝突2分前まで相手の位置を把握していた記録が残っていたが、いずれも衝突の瞬間まで回避操作が行われていなかった。このため、目視やレーダーでの見張りが不十分だったとみている。
また、2機は別々の護衛艦にいる指揮官が指揮していたが、同じ海域に向かわせていることを互いに明確に伝えていなかったほか、飛行する高度を分ける指示も出していなかったという。(矢島大輔)
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