退職慰労金を不当に減らされたとして、テレビ宮崎(宮崎市)の渡辺道徳・前社長が、同社側に約2億円の支払いを求めた訴訟の上告審で、最高裁第一小法廷(深山卓也裁判長)は8日、前社長の請求を退ける判決を言い渡した。同社側に全額の支払いを命じた一、二審判決を破棄し、前社長の逆転敗訴が確定した。
同社は退職慰労金に関する内規で「在任中に特に重大な損害を与えた場合は減額できる」と定める。同社の取締役会は2018年2月、渡辺氏が在任中に出張宿泊費やCSR(企業の社会的責任)事業などで不適切な支出を繰り返したとして、慰労金を85%減額し、5700万円を支払った。
一、二審ともに減額は違法だったと判断したが、第一小法廷は判決で、内規を踏まえ「取締役会は減額に広い裁量がある」と指摘。第三者委員会の報告なども踏まえた減額判断は合理的な根拠があり、取締役会に裁量権の逸脱はなかったと結論づけた。(遠藤隆史)
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