天皇、皇后両陛下は8日、東京・上野の日本学士院会館を訪れ、日本学士院第114回授賞式に出席した。

 今回は10人が受賞。式典後、両陛下は受賞者のうち、「恩賜賞」にも選ばれた2氏から、モニターに映されたスライド資料を使いつつ、研究内容の説明を受けた。

 中世ヨーロッパの交通史を研究していた天皇陛下は、中世・西ヨーロッパのカロリング朝フランク時代の統治手段を研究した菊地重仁東京大学大学院准教授(47)には、「研究に使われた史料はどんなものでしょうか」「史料はよく残っていましたか」などと質問した。

 また、深部低周波微動と呼ばれる、ゆっくりとした滑り現象を発見し、「スロー地震学」という分野の開拓に貢献した小原一成東大地震研究所教授(64)には皇后さまが、スロー地震と巨大地震の関連性や能登半島地震発生前後にも同様の現象があった可能性について質問。水問題を研究する天皇陛下は「地震の発生と地下の水の関連は」などと尋ねていた。(中田絢子)

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