福島県いわき市を中心とした伝統芸能「じゃんがら念仏踊り」の名が、新種のクラゲに冠された。同市小名浜の環境水族館「アクアマリンふくしま」が眼前の海で発見して新種と突き止め、国際的な生物学雑誌に論文が掲載され、認められた。

 その名も「ジャンガラコノハクラゲ」。傘の直径が1センチほどのコノハクラゲの一種で、同種のクラゲは触手が8本なのに対し、ジャンガラは4本しかなく根本が赤っぽいのが特徴。2022年に小名浜港内で飼育員が採取し、形態観察やDNA分析をしてきた。

 小刻みに傘を開いたり、閉じたりしながらリズミカルに泳ぐ様が、じゃんがら念仏踊りを連想させることから同館が名付けたという。2日から、12体が館内で展示公開されている。

 発見者で論文も執筆した飼育展示担当の石井輪太郎さんは「いつも見ている目の前の海で新種が見つかるとは」と驚いたという。飼育しながら、生態の解明を目指す。

 じゃんがら念仏踊りは、市内各地に伝わる。新盆を迎えた家々を回り、十数人が輪になって歌いながら踊り、鉦(かね)や太鼓を打ち鳴らして故人を供養する。市の無形民俗文化財にも指定されている。(西堀岳路)

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