高知市教育委員会は6日に記者会見し、市立長浜小学校の水泳の授業中に4年生の男児1人がおぼれて意識不明となり、その後に死亡したと明らかにした。小学校のプールが故障して使えず、市教委の判断で、水深が十数センチ深い中学校のプールで行われていた。
松下整・市教育長は会見の冒頭で「ご家族、ご親族の皆様に深く、深くおわびを申し上げます」と謝罪した。その上で「(中学のプールを使う)他の方法を採ることができなかったか、悔やむばかりだ。しっかり検証していくのが私たちの仕事だ。責任を感じている」と述べた。
市教委によると、児童がおぼれたのは5日午前11時ごろ。直前まで同級生とプールサイド近くでバタ足の練習をしていたという。
水中に沈んでいるのを同級生が見つけ、教諭に伝えた。教諭が人工呼吸や自動体外式除細動器(AED)による処置をしたが、意識と呼吸のない状態だったという。
児童が通う小学校のプールは水深100~119センチだが、今年6月に濾過(ろか)装置の故障が判明し、使用できなくなった。このため、市教委の判断で、水泳の授業は近くの市立南海中学校のプール(水深114~132・5センチ)を使って行われた。児童が見つかった周辺の水深は約130センチだったという。
水泳の授業には4年生の36人が参加し、教頭と学級担任2人で分担して指導していた。学級担任の2人は水に入ってバタ足の指導をしていてプール全体を見渡せていなかったという。また、プールサイドにいた教頭は泳ぎの得意なグループを見ていて、児童がおぼれていることに気づけなかったという。
これまでの水泳の授業の様子から、児童について担任教諭は「泳力がしんどい」と校長に報告していた。担任教諭に抱きかかえてもらって泳ぐこともあったといい、この日も担任教諭は、児童に浅いところで泳がせるなど危険がないように配慮していたという。
市教委は「なぜ深いところに行ってしまったのか、検証が必要だ」とした。(亀岡龍太、原篤司)
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