海上自衛隊の護衛艦など多数の艦艇で、安全保障に関する「特定秘密」に指定された情報を、資格がない隊員に取り扱わせる不適切な運用をしていたことが6日、防衛省関係者への取材で分かった。不適切な運用は常態化していたとみられ、同省は海自幹部の処分を検討している。

この問題などを受け、海自制服組トップの酒井良海上幕僚長は引責辞任する意向を示しているという。

特定秘密は、防衛や外交などに関する情報のうち、漏えいすると国の安全保障に著しい支障を来すとされる情報について、大臣などが指定する。指定情報を扱うには、交友関係や飲酒傾向、犯罪歴などを確かめる適性評価で認められる必要がある。

海自では護衛艦「いなづま」で2022年、当時の艦長が適性評価を受けていない隊員を「特定秘密取扱職員」に指名し、特定秘密に当たる情報に触れさせていたことが判明。防衛省は今年4月、管理がずさんとして艦長らを停職などの懲戒処分とし、同様の事案がないか調査していた。

酒井良 海上幕僚長

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