福岡県水巻町のアパートで昨年6月にパートの女性が殺害された事件で、強盗殺人などの罪に問われた住所不定無職の辻和美被告（52）の初公判が5日、福岡地裁小倉支部（武林仁美裁判長）であった。知人と共謀して犯行に及んだという検察側の主張に対し、辻被告は「共謀（の事実）はありません。殺意をもって、という部分も違います」などと起訴内容を一部否認し、単独での強盗事件だったと主張した。
起訴状などによると、辻被告は昨年6月2日、北九州市小倉北区の無職岡村恵美被告（47）=強盗致死罪などで起訴=と共謀し、姉の辻つぐみさん（当時52）宅を訪問。催涙スプレーを噴射した後、つぐみさんの首を圧迫して殺害した上で、通帳3冊と印鑑1個などを奪ったとされる。
検察側は冒頭陳述で、辻被告が金品を奪い取る計画を伝えた上で、岡村被告の運転する車でつぐみさん宅に向かったなどと主張。首を圧迫したほか、結束バンドで両手足を拘束したとして、「計画的犯行で暴行態様も残虐だ」と訴えた。
一方、弁護側は岡村被告との共謀を否定。「財物を得ようと暴行し、奪ったことは間違いない」とした上で、首を圧迫して殺害した事実はないと主張した。（鳥尾祐太）
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