石川県能登町の「あばれ祭」(同町提供)=共同

能登半島地震で被災した石川県能登町で5日、県無形民俗文化財に指定される「あばれ祭」が始まった。能登各地で秋にかけ行われてきた「キリコ祭り」の先陣。能登半島では住民の生活再建が進まず、開催見通しが立たない祭りも多い中、復興祈願を掲げキリコが舞う毎年恒例の光景に、住民はかけ声を上げて熱狂した。6日まで。

あばれ祭は江戸時代、京都から地元神社に神様を招いたところ疫病の流行が収まり、喜んだ住民が、巨大な灯籠「キリコ」を担いで詣でたのが始まりと伝わる。燃えさかるたいまつの周囲をキリコが回ったり、みこしを海に投げ込んだりする豪快さが特徴だ。

午後2時に開始を知らせる花火が打ち上がると、数十人に担がれたキリコがかけ声に合わせて動き始めた。キリコの上部には子どもたちが乗り込み、太鼓や笛を演奏。担ぎ手は汗だくになりながら練り歩いた。

一部の道路は電柱が傾いたままで巡行できず、キリコを出さない地区もある。町内からは祭りの自粛を求める声もあったが、復興への活力になればと開催を決めた。

宇出津祭礼委員会の委員長のもとには「開催を決めてくれてありがとう」と声をかける住民が次々と訪れた。委員長は「みんなが笑顔でうれしい。待ち望んだ祭りを思う存分楽しんでほしい」と話した。〔共同〕

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