川崎重工業が海上自衛隊の潜水艦乗組員らに対し、下請け企業との架空取引で捻出した裏金で物品を購入したなどとされる問題で、木原稔防衛相は5日の記者会見で、実態を調査するため特別防衛監察を指示したと明らかにした。木原氏は「厳格に予算執行を行っていくことは当然で、万が一にも国民の疑惑や不信を招くようなことがあってはならない。判明した事実関係に基づき厳正に対処する」と述べた。
この問題の発覚を受け、海上自衛隊は一般事故調査委員会を立ち上げたが、木原氏は「防衛省としてさらに調査の体制を強化する必要がある」と強調。「隊員と契約の相手との関係や契約の適正性に関する特別防衛監察を実施する」と述べた。
特別防衛観察は、元検事がトップを務める防衛監察本部が独立した立場で調査するもので、防衛省・自衛隊で相次いだハラスメント被害についても実施した。
この問題では、川重側が下請け企業に架空取引への協力を求め、支払った代金を下請け側にプールさせていたとされる。川重側は、この裏金で潜水艦の幹部自衛官から一般の乗組員まで多数の隊員に、物品や商品券を購入したり、飲食接待したりしたとみられる。(田嶋慶彦)
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。